営業セールス教材CD営業セミナー研修・コンサルティング 営業マン検定資格の取得メリット営業力トップセールスに共通する売る技術の秘密>時間管理術と目標達成の技能スキル。整理整頓と顧客フォロー術が満載。自宅で学べるビジネス資格取得講座。
通信教育講座 塩づけリスト・逃しているお客様を戦略的に見込み客にランクアップ! 菊原式セールススキル 訪問しないで成約する商談のコツ 営業マン正社員の通信教育
★
★
  • もっと「成績を上げたい」と、営業に対して「真剣」な方
  • 仕事も出来て、プライベートの時間もたっぷり取りたい方
  • 訪問嫌いで、人見知りではあるが、向上心の高い方

私は7年間、まったく売れない住宅営業マンでした。
そんな私が4年連続トップ営業マンに。
今よりもっと早く帰れて、今よりもっと売れるようになる方法のヒントを週一回のペースでお送りいたします。
定時で帰ってトップ営業マンになりましょう!

▼ PC版
『 毎月 契約が取れてしまう
    営業マンの考え方 』
  登録無料です
Powered by 
まぐまぐ殿堂入り    営業トーク術
 
▼ 携帯版
『 なぜか売れてしまう
    営業マンになる習慣 』
 登録無料
読者購読規約

Back Numuber  小さい文字ですみません。


■新規情報を探す前にやるべき事

今年はたくさんの個人の営業マンの相談にのらせて頂いた。 この個人コンサルティングでは私の方も非常に勉強になっている。 また最近は営業マンだけでなく、社長さんの個人コンサルティングも多くなった。 こちらも同じように非常に勉強になるのだ。 最近、個人コンサルティングをしていて感じたことがある。 できる営業マン、業績のいい会社の社長さんに共通しているのは “目の前のお客様を大切にしている” ということ。 《そんなことは当たり前だ》 と思うかもしれないが、意外に出来ている人は少ない。 苦戦している営業マン、社長さんは必ず 「いやぁ〜新規の情報が取れなくて困ります。何とかいい方法はないですか?」 と言ってくる。 営業では新規情報は大切なこと。 それはそうなのだが、新規ばかりを追いかけてその情報を活かしていない人も多い。 例えばせっかく取ったアンケートもほとんどフォローしない人も多い。 先日お会いした社長さんは 「営業マンたちがお客様どうフォローしているか分からない」 と言っていた。 これではせっかくお金と時間をかけて新規のお客様の情報を取得しても垂れ流しになってしまう。 新規を追いかけまわしている人は、 “すぐに契約してくれるお客様” を探し回っているだけ。 だから、中長期のお客様を大切にフォローしない。 結局、いつもお客様を探し回るハメになってしまう。 だから労力の割に結果は出ないのだ。 一方、結果を出している人はどんなお客様でも大切にフォローする。 また契約してくれたお客様、入居客を非常に大切にしているもの。 だから紹介が生まれいいサイクルが回ることになる。 楽に自然体で結果を出しているのだ。 新規情報も大切だが契約してくれたお客様、入居しているお客様はもっと大切。 足元をしっかり固めてから新規を探しましょう。

 

■約束をキッチリ守る人、口だけの人

ダメ営業マン時代のこと。 いつものメンバーとA先輩で集まって飲んでいた。 酔いもまわり会社の不満をぶちまける。 その時のテーマは定例会議だった。 店長は月に一回の定例会議を 「これから会議を週一に増やして気合を入れるぞ!」 と言い出したのだ。 その店長はただでさえ会議が長いタイプ。 それが4倍に増えると考えただけで、うんざりしていた。 その時、A先輩は勢いよく 「俺が一発”そんなの無駄ですからやめましょう!”と言ってやるよ」 と言ってくれた。 これほどありがたいことはない。 私たちは先輩を心底誇りに思った。 それからしばらくしてのこと。 A先輩はその約束を守る気配はない。 文句ひとつ言わず、週一の会議に出ていた。 その姿を見てガッカリしたものだった。 それからのこと。 もう一人のB先輩が私たちに 「週一の会議ってどう思う?」 と質問してきた。 もちろんやめて欲しいという事を伝えると 「じゃあ俺が店長に提案してみるよ」 と言ってくれた。 その先輩はのらりくらりしているタイプ。 《どうせ口だけだろうな》 と思っていた。 それから1週間後のこと。 店長から 「週一の会議は多すぎるから二週間に一回に変更する」 と報告があった。 B先輩は約束を守ってくれたのだ。 A先輩は言う事は大きかったが行動しない人だった。 それに引き替えB先輩はなんとなくだらしない感じだったが、言った事は守る人だった。 これは営業でも共通していた。 一見A先輩の方が出来そうな営業マンに見えるのだが、B先輩の方が倍以上の契約を取っていた。 B先輩は仕事でも約束はキッチリ守る人だったのだ。 口で言うだけでなく実行する。 そういった人だけが結果を出すのです。

 

■大失敗から貴重なヒントが得られる

以前のブログで研修での失敗の話をした。 研修の進め方がまずく、担当者から 「こんな内容じゃ、とても他ではできません」 と言われてしまったのだ。 私はその後、練習し研修を成功させた。 私はこの経験以上に失敗したことがある。 ある会社から講演依頼を頂いた時のこと。 講演時間は2時間。 私は話の内容をリストアップして資料をまとめた。 そして時計を見ながら家で練習をした。 練習をした感じでは 《これで2時間近くは話せるだろう》 と思っていたのだ。 仮に時間が早まったとしても質問の時間にすればいい。 私は満を持して講演に臨んだ。 そして当日。 担当者から「ではお願いします」と誘導され控室から開場に入った。 開場に入った瞬間100人以上の営業マンが目に入った。 それまでは多くても20人程度。 数と雰囲気に一気に飲み込まれた。 話し始めたが、何を話しているか分からない。 当然、営業マンたちの反応も悪い。 退屈そうにしている姿が目に入る。 もしかしたら違ったかもしれないが、私にそう見えた。 焦った私は話を次々に前倒しにしてしまう。 30分を少し過ぎたところで、ネタのほとんどを言いきったことに気が付いた。 こんな時にアドリブが効けばどれほど楽だっただろうか。 しかし、そんなことが出来るはずもない。 仕方がなく担当者に 「そろそろ終わってしまうのですが」 と打ち明けた。 担当者も焦っただろう。 担当者は機転を利かせ 「今まで聞いた話について隣の人と3分間話し合ってください」 と言ってくれた。 私はこの3分間で頭をフル回転させた。 そしてその後、次々にワークをしてもらった。 ・どうして営業をしようと思ったのか? ・営業をしていて一番うれしかったことは? ・お客様が営業マンに声をかけない理由は? などなど。 「ワーク」→「発表」→「私の見解」 とやっていくうちに2時間を使い切ることが出来たのだ。 そして驚くことに過去最高の評価を頂いた。 大失敗からヒントを得られることもある。 そう実感した出来事でした。

 

■決定権者、キーマンの攻略法

保険の営業マンにお会いした時のこと。 その営業マンは毎年成績優秀で表彰される人。 さわやかな人で立ち振る舞いも完璧だった。 見るからに 《売れるだろうな》 と言う空気感を醸し出していた。 その営業マンからこんな話をしてくれた。 営業「以前は決定賢者が他にいる場合の商談は決まらなかったのですよ」 私「たとえば”家に帰ってから主人に相談します”といったパターンですか?」 営業「そうです。まさにそのパターンを一番苦手としていました」 私「それて今はどうですか?」 営業「今は得意です」 私「どう改良されたのですか?」 営業「今までは目の前の奥さんに細かい部分まで説明していたんですよ」 私「はい」 営業「いくら説明しても奥さんはご主人に正確に伝えられません」 私「そうでしょうね」 営業「今は”月々の支払いがかなり安くなる”とだけお伝えくださいと言っています」 その営業マンは以前は奥さんに対してかなり細かい部分まで説明し、それをご主人に伝えてもらおうと思っていた。 しかし、奥さんは保険のプロではない。 話しの10%程度しか伝わらないだろう。 よく分からないご主人は 「そんなのやめとけ」 となってしまう。 そうではなく 「詳しい話は私がしますからご主人には”月々の支払いがかなり安くなる話を聞いた”とだけお伝えください」 と奥さんにアポを取ってもらう事だけに変更した。 ご主人もそう聞けば 《オレのこずかいも増えるかな?》 などと期待する。 だから会ってもらえるし決まるのだ。 キーマンが他にいる時はメリットを分かりやすく1つだけ伝え、アポイントだけ取ってもらう。 そうすることで契約率は格段にアップします。

 

■厳しい環境があなたを筋肉質にしてくれる

先週のメルマガでは 「苦しい時代が今の自分を構築するうえで役立っている事もある」 と言った話をした。 私の場合、ダメ営業マン時代が長かったこともありミスが許される環境ではなかった。 そのお陰で時間と期限を守る習慣が身についた。 これには非常に感謝している。 この習慣が身についていなかったら今こうして仕事が出来ていたか分からない。 厳しい環境とは営業マン、そして会社を筋肉質にしてくれるものなのだ。 商工会議所の講演でお会いした社長のこと。 その社長は長年ビルダーの下請けをしていた。 そのビルダーから建物の工事の依頼は定期的にくる。 しかし、問題はコスト。 叩きに叩かれ、ほとんど利益が出ないほどたと言う。 時には赤字になることも。 社長は知恵を絞り、それでもなんとか利益が出るように工夫をし続けた。 ある時にそんな状態に嫌気がさし、工務店として独立。 下請けを一切やめたのだ。 宣伝はほとんどしないのにもかかわらず 《低コストでいい仕事をしてくれる》 と地域で口コミが広がった。 なんとお客様の8割近くが紹介してくれと言う。 その社長はつくづく 「あの時に親会社からいじめられた経験が今、本当に役立っていますよ」 と言っていた。 今、お客様に苦しめられている、 もしくは 親会社からいじめられている・・・ と言う人もいるだろう。 その状況から逃げられないのであれば、歯を食いしばって頑張ってみる。 そういった経験は後になってから必ず自分のためになるものです。

 

■痛い目にあって身についたこと

あるお客様と商談していた時のこと。 約束は午前11時からだった。 私は資料を揃えてお客様のうちに向かっていた。 時計を見るとちょうど11時。 お客様のうちは公社の5階だった。 《急がないと・・・》 と思いながら階段を駆け上がった。 玄関の前に立ち、チャイムを押した。 少ししてお客様が出てくる。 お客様「今何時だと思っていますか?」 私「はい?」 いきなりそんなことを言われ 《アポイントの日を間違えたかな》 と思って手帳を引っ張り出そうとした。 その様子を見てお客様がこういった。 お客様「今、11時4分ですよ」 私「はい」 お客様「4分でも遅刻は遅刻です」 私「すっ、すみません」 お客様「あなたとは今後話をする気はありませんから、お帰り下さい」 そういって玄関を閉められた。 私の時計だと11時1〜2分だった。 これくらいは許容範囲だと勝手に思っていたのだ。 《お客様は本当に厳しいなぁ》 と痛感したものだった。 当時の私はお客様に対して 「なんとか見積りだけでも見て下さい!」 と頼み込んでいた。 お客様からすれば”おまけ”みたいな存在。 だから少しでもミスをすれば即切られたのだった。 という事もあり、時間はもちろんのこと約束はキッチリ守るようになった。 これは今でも変わらない。 どんなことでも時間と期限はきっちり守るようしている。 それが仕事をしている人との信頼につながっている。 意外な事だがトップ営業マンの人で時間も約束もルーズな人が少なくない。 そういった人は多少遅れても 「〇〇さんだからしょうがないよ」 と許してもらえる。 その人の魅力でカバーできてしまうのだ。 苦しい時代が今の自分を構築するうえで役立っている事もある。 私は厳しい目にあったお陰で時間に正確になれた。 ダメ営業マン時代を思い起こして、 《あの時、厳しい目にあって本当によかった》 とつくづく感じます。

 

■いい結果が出た時こそ細心の注意払う

新しい期がスタートした時のこと。 奇跡が起こった。 いきなり初めの月に契約を取ったかと思うと、翌月も契約。 さらには翌々月も契約をとり3ヵ月連続の契約を取った。 その時、商談はその3件だけ。 契約率100%だったのだ。 その時、私は周りの仲間に 「今の俺は負ける気がしない」 と言い放っていた。 当時の私は5回商談して1件決まればいい方。 しかもかなりのおバカ。 3ヵ月間負けなしでは勘違いするのも無理もなかった。 それからというもの自信に満ちた仕事をしていた。 その翌月も契約予定のお客様がいる。 私はますますふんぞり返っていたのだ。 こういった時は痛い目にあう直前であることが多い。 そのお客様は契約直前で 「迷ったのですけど、Aハウスにすることに決めました」 と逆転負けしたのだ。 これをきっかけに流れが一気に悪くなる。 その後はいくら商談しても決まらない。 10連敗、いや20連敗はしただろうか。 なんとそこから7ヵ月間契約ゼロを更新したのだ。 誰でも絶好調な時がある。 そんな時こそ 《これで気を緩めると痛い目に会うぞ》 と気を引き締める。 いい気になってふんぞり返っていい結果が続いた人など見たことがない。 いい結果が出た時こそ細心の注意払いましょう。

 

■「売り込みしない」をはき違えてはならない

個人コンサルティングをしていた時のこと。 その営業マンは接客に悩んでいた。 トーク設計図を時間をかけて作成し、何度も試している。 にもかかわらず 「いやぁ〜ほとんど着座もできません」 と言うのだ。 トーク設計図の内容をチェックしたが問題点は見つからない。 実際に簡単なロープレもしたが、それでもとくに問題なかった。 私は話をすればするほど 《どうして上手くいかないのか?》 分からなくなった。 その後の会話でのこと。 その営業マンがこんな話をしてくれた。 営業「このトーク設計図はいいですね。とくに警戒心を解くトークなんかは最高です」 私「そうですね。お客様は緊張していますから」 営業「今まで”おススメしないトーク”など考えたこともなかったですよ」 私「結構難しかったのではないですか?」 営業「いえいえ、うちの建物はおススメしないところだらけですから」 私はこのひと言に少し引っかかった。 会話から 「うちの建物は良くない」 という感じが伝わってきたからだ。 私はさらにこう質問した。 私「〇〇さんは自分の会社の建物を建てたいと思いますか?」 営業「いいえ、どうせだったらもっと稼いでAハウスを建てたいですね」 このひと言で、この営業マンが売れない理由が分かった気がした。 トーク設計図の最大の目的はお客様の警戒心を解くこと。 しかし、売る気を無くせと言っているわけではない。 むしろ逆で 《当社の建物に住んでもらいたい》 という強い思いがあってこそ生きてくるのだ。 私はその営業マンに 「自社の建物を好きになるためにもっと深く知るように」 とアドバイスをした。 今までメルマガやブログで 「お客様に売り込みをしてはいけない」 と言うお話を何度もしてきた。 だからと言って売る気を無くしてはならない。 このことは絶対にはき違えないようにしてください。

 

■メールで済ますか電話するかで信頼の差につながる

編集の人とのやり取りでのこと。 仕事先の人とのやり取りのほとんどはメールが多い。 その時は 「大変申し訳ありませんが、今日中にチェックしてください」 と言う内容だった。 もちろん 「大変申し訳ありませんが・・・」 などとは書いてある。 長文でだいぶ時間をかけた感じだ。 しかしメールだと感情は伝わらないもの。 少しだけムカッとしながらなんとか間に合わせた。 それからしばらくしてのこと。 やはり編集者との間で同じような事が起こった。 ただその時は直接電話をかけてくれ 「忙しいところ申し訳ありませんが、今日中にチェックしてください」 と言ってくれた。 電話で言われると 「全然大丈夫ですよ。今日は暇ですから」 と答えるもの。 無理なお願いでも快く受け入れられた。 先日のブログで 「メールより電話の方が10分の一で済む」 と言うお話をした。 メールの場合、時間をかけても誤解を生むことがある。 これは営業でも言えること。 《これは言いにくい・・・》 と言う時は思わず、メールで・・・ と考えてしまう。 その時は気持ちが楽だろう。 しかし、相手はかなりカチンときている、という事を忘れてはならない。 その場はしのげたとしても相手は 《二度と仕事をするものか!》 と怒っているのだ。 営業は自分では何もできない。 まわりのスタッフに協力してもらってこそなのだ。 言いにくい事こそメールで済ませず、電話もしくは直接お会いして伝える。 そうした積み重ねが将来大きな信頼の差になってあらわれます。

 

■いつもの場所から新しいものを発見する

知人の紹介で営業研修に参加した時のこと。 最後まで参加させて頂いたが、非常いい内容だった。 《今日は参加してよかった》 という雰囲気の中、一人の男性が手を上げこんな事を言い出した。 男性「今日の研修ありがとうございました」 講師「こちらこそありがとうございました」 男性「内容的には良かったのですが、基本的な事ばかりで私には目新しいものはありませんでした」 講師「そうでしたか」 男性「本の内容以外のもっと目新しい事を知りたったです」 このひと言で会場はシラケた感じに。 《この場をどうするのだろう?》 とかたずを飲んで見守っていた。 しばらく間をおいて講師はこう言った。 講師「当たり前のことからどれだけ新しいものを発見できるか、という事が大切なんです」 男性「はぁ」 講師「これは営業活動でも同じで、いつもの場所からどれだけ新しいものを発見できるかが重要なんですね」 そう言われた男性は 「確かにその通りですね。分かりました」 と納得した表情で席に座った。 私自身、29歳の時に会社のクレーム情報に気づき、お役立ち情報として使いはじめた。 その情報自体は前からあったもの。 目の前に存在していながらまったくその価値に気が付かなかったのだ。 営業活動はお客様は違えどもパターン化しがちになる。 気づかないうちに同じことを繰り返すことに。 そんな時は時々違う視点でものを見てみる。 《いつもの場所からどれだけ新しいものを発見する》 という事ができる人だけが自分を進化させ、売り続けることができるのです。

 

■「営業レター+フェイスブック」のハイブリッド

ハウスメーカーで研修をさせて頂いた時のこと。 その会社での希望は 「営業レターを出しているお客様からの反応を得る」 という事だった。 最近はこういった要望も多い。 という事で見学会の誘致と電話でのランクアップについて3時間ほど研修をした。 それから1ヵ月くらい経った時のこと。 1人の営業マンから 「お陰様でたくさんアポイントが取れるようになりました」 というメールを頂いた。 私は興味があったので直接電話して状況を聞いてみることにした。 私「アポが取れるようになったようですね」 営業「ええ、プライベート見学会が効いています」 私「それは良かったですね。ところでどのくらい誘致出来ていますか?」 営業「狙ったお客様はほぼ誘致出来ていますよ。特にフェイスブックでは・・・」 私はこの 「フェイスブックでは・・・」 という言葉に興味を引かれた。 詳しく話を聞いてみると、プライベート見学会の資料を送った後にフェイスブックで 「まだ2枠が空いていますので、いかがですか?」 とメッセージを送る。 そうすることでかなりの確率で見学会に誘致できると言うのだ。 その営業マンはアンケートをもらう際に 「フェイスブックはやっていますか?」 と質問する。 そしてやっているお客様にはすぐに申請する。 ほとんどのお客様は承諾してくれると言う。 そしていざという時にメッセージを送るのだ。 「営業レター+フェイスブック」 もかなり効果的だと感じた出来事でした。

 

■歯を食いしばって敗戦理由を分析する

【失敗した原因をリストアップする】 と言うお話をした。 これは商談でも言えること。 商談をしていて見事に契約になればいい。 上司にそのまま報告すればいいし、契約の余韻に浸るものいいだろう。 しかし、敗戦した時はどうだろうか? 過去の私はあたかも自分が悪くないように報告をしていた。 私「商談していた吉田さんなんですが、急に親が口を挟んできましてね」 上司「それでどうなったんだ?」 私「親の知り合いにしないと建築を許さない、という話になってしまいまして」 上司「う〜ん、それならば仕方がないな。次を探せ」 私「はい」 実際は断られた原因は自分の力不足と分かっている。 しかし、上司には本当の事は言えない。 上司にごまかすだけならまだいい。 自分に対しても 《まあ、今回は運も悪かったし、しょうがないな》 などとへんに納得していた。 こんなことをしていたから成長しなかったのだか・・・ 商談に失敗した時、お客様から断られた時。 歯を食いしばって 《なぜ断られたのか? 失敗したのか?》 を分析してほしい。 たとえば ・見積りを出すタイミングが悪かった ・お客様と信頼関係を構築する前に話を進めてしまった ・そもそもニーズが聞き取れてなかった などなど。 辛いがこういった事をできる限り細かく分析する。 そしてこれを次の商談に活かす。 商談に失敗した時、歯を食いしばって振り返れる人だけ成長するのです。

 

■“朝活”成功の秘訣

研修の懇親会でのこと。 ある営業マンが 「やっとことで朝活できるようになりましてね」 と言っていた。 話を聞くとその営業マンは極度に朝が弱かったという。 そんな人がどうして朝起きられるようになったのか、秘訣を聞いてみた。 私「どうして朝早く起きられるようになったのですか?」 営業「簡単な事で毎日同じ時間に起きることにしたんです」 私「起きる時間を決めたのですね」 営業「ええ、仕事がある日でも休日でも毎日6時に起きると決めたんです」 私「休みの日もですか?」 営業「はい、そうしないとすぐにぐうたら癖が出てしまうので」 私自身もそうなのだが 《今日は休みだから》 だとか 《昨日は遅くまで飲んだから》 と言って起きる時間はほとんど変えない。 苦しかったとしても無理やり同じ時間に起きている。 その営業マンも似たようなことを言っていた。 営業「寝る時間が遅くなったとしても無理やり起きますよ」 私「そういった朝は何もできない時もありますよね」 営業「はい椅子で気絶する事もあります(笑)」 朝活ができるかどうかは、毎日の積み重ねで決まる。 たとえ辛くても決めた時間に起きる。 それを繰り返していくとどんどん楽になる。 はじめて3日、1週間、1ヵ月・・・ と時間が経てば経つほど楽になるのだ。 《今度こそ朝活を成功させたい!》 という人は起きる時間を決めて、それを毎日続けてみましょう。

 

■気合の入れ過ぎに注意せよ

久しぶりに知人とお会いした時のこと。 知人は嬉しそうに 「やっと出版が決まりましてね」 と報告してくれた。 初めての本が決まった時は飛びきり嬉しいもの。 知人は以前からかなりの出版社にアプローチしていた。 しかし、実力はあるのになかなか企画が通らない。 そう言った苦労を知っていたので私もすごくうれしかった。 話を聞くとトータル10社以上は断られたという。 私はなぜ今回、うまく行ったのか理由をストレートに聞いてみた。 私「今回企画が通った理由は何でしょうか?」 知人「企画自体は同じなんですけどね」 私「何か心境の変化があったのでしょうか?」 知人「それはありましたね。今までは力み過ぎていたのだと思います」 私「力み過ぎですか?」 知人「ええ、今までは”何としても企画を通してやる”という思いが強すぎましてね」 私「はい」 知人「今回は不思議と”まあ通らなくてもいいかな”と気楽に出来たんです」 私「それが勝因でしょうか?」 知人「そうですね。それでリラックスでき上手く自分を出せました」 気持ちを強く持つ。 それはいい事だ。 しかし、あまりにも気持ちを入れ過ぎると力んでしまい自分を上手く表現できなくなる。 相手にも 《なんか暑苦しいなぁ》 という印象を与えてしまうのだ。 これはクロージングでも同じ事。 あまりにも 《契約を取りたい》 という思いが強すぎると失敗に終わることが多い。 逆に 《最終的に決めるのはお客様なんだからな》 くらいに思った方が上手くいったりするのだ。 クロージングが上手く行かない人の中にはまじめすぎる人も少なくない。 力みすぎてしまう人はいつもの半分くらいの気合で臨んでみましょう。

 

■女性の方が話が盛り上がる理由

取材依頼があったため、東京に行ったことがあった。 午前中に1件、そして午後1件を予定していた。 まず午前中。 相手は同世代の男性。 はじめは 「ガンダム、ボウイ世代ですね」 などと共通の話で盛り上がった。 しかし、インタビューが始まるとどうも調子が出ない。 話をしていても 《今日は調子が悪いのかなぁ・・・》 と思うほどいいコメントが出てこなかった。 こんな日もある。 インタビューはあっさりと40分ほどで終了した。 そして午後。 相手は私より10歳ほど若い女性だった。 雑談もそこそこにし、インタビューが始まる。 話をしていて 《なんか話しやすい》 と思っていた。 1時間を予定していたのだが結局2時間近くも話し込んだのだ。 この理由は何だろうか? はじめは 《相手が女性だから話が弾んだのかな?》 と思っていた。 しかし、理由はそうではない。 私が話し込んだ理由はお相手が、大きくうなずいてくれていたから。 彼女は意識的なのか?それとも無意識なのか?は分からない。 ただ、こちらを見て大きくうなずいてくれると非常に話しやすくなるのだ。 研修をしていて思う事がある。 一般的に男性は話をうなずかないで聞く傾向がある。 一方、女性は大きくうなずく人が多い。 この様子を見て 《だから女性同士のほうが話が盛り上がるんだな》 などと思う。 相手の話を聞く時は大きくうなずく。 特に男性は意識的にうなずいてみてください。

 

■3歩進んで2歩下がる

ゴルフを始めた時のこと。 練習とラウンドを続け、念願だった100を切った。 その後、90〜95くらいでラウンドができるようになる。 そうなると 《もう100は打たないだろう》 と思うもの。 しかし、そのとたんにまた100をオーバーしてしまう。 さらに練習とラウンドを続ける。 しばらくすると85〜90くらいでラウンドできるようになる。 そうなると 《さすがにもう100は打たないだろう》 と思うのだが、ゴルフはそんなに甘くない。 ハーフで60をたたき、107なんてスコアが出るのだ。 スポーツなどは特にそうなのだが 《コツをつかんだぞ》 と思ってもすぐに忘れる。 そして基本的なミスをしてしまう。 だからと言って努力しても意味がない、と言っているわけではない。 また同じようなミスをしたとしても確実に実力はついているのだ。 これは営業スキルでもいえること。 《営業のコツをつかんだぞ》 と思う事がある。 しばらくは上手く行くのだが、基本的な事をコロッと忘れてしまう。 気づいた時には 《あれ? 少し前までよかったのになぁ》 となってしまうのだ。 歌の歌詞に 「3歩歩いて2歩下がる」 と言うものがある。 営業スキルは進んだり下がったりして身についていくもの。 焦らずにじっくり積み重ねていきましょう。

 

■長く活躍する人の意外な特徴

研修でお世話になっている会社の部長とお話しした時のこと。 こんな話をしてくれた。 部長「営業と言うのは一本筋の通った人間が結果を出すものだと思っていましてね」 私「そういった事はありますね」 部長「ただ、最近は違うような気がしてきまして」 私「どういう事ですか?」 部長「実際は人に流されるタイプの方が長く活躍するんですよ」 トップ営業マンと言うと 《芯が強く、自分をしっかり持っている人》 と言うイメージがある。 今までお会いしてきたトップ営業マンたちはそう言う人が多かった。 しかし、部長いわく 「人に流れるタイプの方がけっこう長く活躍する」 という。 しょっちゅう、やり方を変えたり、最新ツールにすぐ飛びついたりする人の方が長持ちすると言うのだ。 この話を聞いた時、はじめは 《そんなものなのかな?》 と少し疑問に思った。 しかし、よくよく考えてみると長く活躍するする人は柔軟性が高かった。 新しいツール、パソコンのシステムなど。 いち早く対応していた。 また若いお客様に対して順応していたのだ。 その部長はつくづくこう言っていた。 「私の息子は高校生ですが、仮に彼らにものを売るのでしたら今までのやり方では間違いなく上手く行かないという事だけは分かります」 確かに、息子くらい年代が離れると価値観も感覚も違ってくる。 こういった価値観に順応できる人が長く活躍できるのだ。 営業をしていれば10歳も15歳も下の世代と商談する事もある。 そんな時は自分の感覚ではなく、若い人に寄り添う事も必要な事。 お客様の価値観や求めていることは常に変わっていく。 相手が変わるのなら自分も変わらないといけませんね。

 

■余裕がある仕事こそ注意が必要

知人とお会いした時のこと。 こんな話をしていた。 知人「随分と締め切りの余裕がある原稿を依頼されましてね」 私「それはいいですね」 知人「ところが、余裕を持っていたらあっという間に締切りが迫り、ギリギリになってしまいましたよ」 私「間に合ったのですか?」 知人「ええ、丸2日徹夜しましたから」 期限に余裕があると 《まぁ、もう少し先になってからすればいいや》 と油断が生じるもの。 そして気が付いた時には 《やばい! あと3日しかないじゃないか!》 と大慌てになる事もある。 私自身も経験がある。 研修担当者から 「2ヵ月先ですが、研修のプログラムを作ってください」 と依頼されていた。 その時は 《2ヵ月も先のことだからまだいいだろう》 と思っていた。 しかし、気づいた時には締切り3日前。 徹夜こそしなかったか、かなり苦労したのだ。 前もって計画を立ててやれば、なんてことない仕事だっただろう。 逆にタイトなスケジュールで依頼されることもある。 そういった時は契約を立ててしっかりと実行する。 終わってみれば 《ぜんぜん余裕だったなぁ〜》 という事になるのだ。 仕事を依頼されたら計画を立ててキチンと実行する。 これは期限が長くても短くても。 とくに余裕がある仕事こそ注意しましょう。

 

■苦しい経験があなたを成長させてくれる

売れない営業マン時代のこと。 お客様からの依頼にミスをすることはできなかった。 少しでも遅れたりすれば 「あぁ、だったらもういいから」 と冷たい口調で商談を打ち切られたものだった。 そして二度とチャンスはもらえなかった。 それもそのはず。 こちらから 「お願いですから、提案書だけでも出させてください!」 と何度もお願いをしていた。 こちらからお願いをしておいて、遅れることなど許されないことなのだ。 こちらからお客様を追いかけると本当に苦しくなるものだ。 こんな商談を繰り返していても決まることはない。 提案書、見積書を何度出してもすべて水の泡になった。 しかし、ラッキーな事に、私はこのことで身に着いたことがある。 それは 「絶対に約束を守る」 という事。 今でも私はよっぽどのことがない限り、時間に遅れることはないし、仕事の期限をオーバーしたことがない。 私としては当たり前のことをしているのだが、仕事先の人から 「菊原さんは本当に約束を守りますね」 と感心される。 そのことで、再度以来を頂く事もある。 どんな約束も守る。 これは会社を辞めてから実感したのだが、できそうでできる人は少ない。 だからこそキチンと約束を守る人はそれだけで信頼を得られるのだ。 あの時は 《チクショウ! たった5分遅れただけで叩き切られるなんて・・・》 と悔しがっていた。 しかし、今はそのことを感謝している。 苦しかった経験が知らず知らずのうちに自分を成長させてくれたのだ。 「相手が感動するような素晴らしい内容の仕事」 は約束できないが 「約束したことを期限内にやる」 ことは誰でもできる。 《お得意先だからまあいいか》 などと油断せずに、約束はキチンと守りましょう。

 

■過去、未来ではなく今に一点集中する

ダメ営業マン時代のこと。 私は終わった商談をクヨクヨ悔やむ癖があった。 というもの、結構いいところまで言ってから 「今回はAハウスさんにすることに決めたの。ごめんなさいね」 と断られる。 2択までいって負けた時は 《あぁ〜あの時こうしていれば・・・》 と1ヵ月以上も悔やんでいたものだった。 営業活動は失敗したことに対して、反省したり分析したりするのは必要なこと。 そこから教訓を得て、次にいかす。 こうして成長してくいもの。 しかし、終わった商談をいつまでも引きずって、力を発揮ではなくなるのでは本末転倒になる。 さらに私は過去だけでなく、未来に対しても不安を持っていた。 「新しいお客様とうまく接客できるだろうか・・・」 「もう契約なんて取れないのでは」 「この先、いつまで続けられるのだろうか?」 などなど。 心配してもしょうがない事ばかり考えていた。 だから目の前のことに集中できなくなる。 商談中でさえ、 《この商談が決まらなかったら、おわりだな》 などと考えてしまうこともあった。 だから余計にうまく行かなくなるのだ。 トップ営業マンになってからはとにかく目の前にお客様に最大集中するようになった。 過去も未来も忘れ、そのお客様のためだけに話をした。 それからは無駄な事に悩むことは激減したのだ。 私のような凡人は意識が過去、未来へと散漫になっていると力が発揮できない。 自分の持っている力を今だけに集中する。 それが結果を出す一番の秘訣なのです。

 

■反対者をほっといてはならない

二世帯のお客様と商談していた時のこと。 お客様は鉄骨の建物を気に入っていた。 話自体は順調に進んでいたのだが、1つだけ気になることがあった。 それはお母さんの態度。 家に商談に行った時は 「お茶を用意しますから」 だとか 「洗濯物をしまわなきゃ」 と何かにつけて商談の場から離れていく。 また展示場でも孫が少しでも動くと 「ほら、ダメよ」 と言いながらテーブルから離れて行ってしまう。 明らかに1人だけ参加していない感じだった。 このお客様の計画はご主人の実家との二世帯の話。 こういった場合、嫁姑問題が勃発する。 このお客様も口にこそ出さなかったが お互いに同居については思うところがあったのだろう。 お客様の奥さんは姑との同居には比較的前向き。 仕事をしている事もあり、子供たちの面倒を見てもらえるという理由もある。 しかし、お母さんは子供たちの世話で縛られる。 かわいい孫でもさすがに毎日となると話は別なのだ。 このように一人でも商談から脱落者が出ると商談は進みにくくなる。 今は上手く行っていたとしても、あとあとになってからどんでん返しがあったりするのだ。 その後、お母さんに積極的に話しかけるようにした。 「お母さんは何色がいいと思いますか?」 だとか 「キッチン横に家事スペースが取れそうですか、いかがでしょうか?」 などとお母さんが興味が湧く質問を続けた。 それからは商談にも積極的に参加してくれたのだ。 結局、この商談はまとまった。 反対しているが味方にまわると大きい。 今まで悪かった流れが一気によくなることもあるのだ。 商談をしていて 《この人は明らかに反発しているな》 と言う人がいる時がある。 そんな時はほっとかずに積極的に話しかけてみましょう。

 

■お客様は”お客様の言う事”は信じる

事務所で仕事をしていた時のこと。 後輩が相談を持ちかけてきた。 後輩「ずっと商談しているAさんなんですけど、なかなか決まらないんです」 私「もう見積書は出したの?」 後輩「ええ、もう何度も出しましたよ」 私「じゃあ、現場を案内したり、ショールームに連れて行ったの?」 後輩「はい、思いつくすべてをやりつくしました」 話を聞けば何度もクロージングしたという。 それでも決まらない。 時間もかけているし、引けに引けない状態だろう。 私は週末、お客様と打合せすることになっていた。 私は後輩に 「そのお客様を連れて来れば援護射撃して上げるよ」 と言ってみた。 後輩は 「一応、お客様に言ってみます」 と言っていた。 後輩は手詰まりだった。 藁をもつかむ思いだったのだろう。 その日にお客様を現場に連れてきた。 私のお客様には 「後輩がお客様を連れてくるので、いい事も悪い事も正直に言ってあげてください」 と伝えておいた。 お客様は後輩のお客様に対して 「ここの営業マンの方は親切な人が多いですし、建物もしっかりしていてホント決めてよかったと思っていますよ」 と言ってくれた。 「いい事も悪い事も」 と伝えたが、知らない人にいきなり悪い事は言わないものだ。 後輩のお客様はその言葉に安心したのか、その月末に契約になった。 お客様は営業マンの事はすぐには信じないが、実際購入した人の意見は素直に聞き入れるもの。 手詰まりになった時は契約客またはオーナーさんにお願いして援護射撃してもらいましょう。

 

■あの人が慕われている理由

仲のいい仲間と飲んでいた時のこと。 その中の一人の編集者がFBに飲み会の様子をアップした。 それから30分くらい経った時だろうか。 店員さんが 「これAさんからのサービスです」 と言って料理を持ってきたのだ。 これには驚いた。 Aさんはその編集者のFBを見て、その店に電話をしたのだ。 この根回しは凄い。 私含め、その場にいた全員がAさんのファンになった。 営業マン時代のこと。 私と上司、設計、現場、など、4人で打合せする予定だった時がある。 本社の打合せルームを予約していた。 私たちの前に営業マンBさんが他の打合せで使っていた。 Bさんは10分ほど前に終わらせ帰った様子。 その打合せルームには入るとテーブルの中央に袋が置いてある。 中身を見ると 「現場で余ったのでよかったら飲んでください」 とメモが置いてあった。 その飲み物は冷えていて、明らかにBさんが買ってきたものだった。 この気遣いでそこにいた全員がファンになった。 営業マンとうしはライバル関係になるもの。 しかし、私はBさんにだけは 《何があっても協力したい》 と思うようになった。 だから、Bさんが案内できる現場を探していると聞けば 「私のお客様のうちを使ってください」 と真っ先に連絡したものだった。 できる人はただ単に応援されているわけではない。 日ごろから味方を作る努力をしているものなのです。

 

■本が出せる人、出したいで終わる人

仲のいい編集者とお会いした時のこと。 その人はこんな話をしてくれた。 編集者「最近は”本を出したい”と言う人が多くなりましてね」 私「確かにそうですね」 編集者「いろいろなところからたくさんアプローチされるのでさばくのが大変です」 私「ところで、そういった人達をどう判断しているのですか?」 編集者「それは簡単ですよ。その人に「ノウハウをまとめた物はありますか?」と質問すればいいんです」 その時はよく意味が分からなかった。 その後、もう少し話を聞いてみて理由がハッキリ分かった。 本を出したいと本気で思っている人は既に自分のノウハウを何かの形として残している。 小冊子かもしれないし、PDFファイルかもしれない。 とにかくまとめたものを作っている。 一方、ただ単に 《出せればいいなぁ》 と思っている人は形として残してはいない。 編集者いわく 「企画が通ったら書き出しますよ」 と言う人も結構いるという。 先日お会いした企業家の青年は会うなり 「このような内容の本を出したいと思っています」 と手作りの本のようなものを手渡してくれた。 切り口が面白かったので、その場で編集者を紹介した。 おそらく近いうちに出版することになるだろう。 本気の人は企画が通る前から本を作っているし、常に持ち歩いている。 《いつか○○したらやってみよう》 という”いつか”はかなかな来ないもの。 やりたいことは今すぐに実行し、そして常に持ち歩くようにしましょう。

 

■突然のトラブルをどう捉えるか?

新幹線で研修に向かっていた時のこと。 名古屋の直前で突然、新幹線が止まった。 《新幹線が止まるなんて珍しいな》 と思っていたところへアナウンスがある。 なんと1時間近く見通しがつかないという。 その時は担当者と 「研修前にランチでも」 と言う話になっていたので、研修には間に合いそうだ。 ただ、ここに1時間も閉じ込められるのはキツイ。 隣の人はイライラしながら 「冗談じゃない!」 とブツブツ文句を言っていた。 私はこの時、どういうワケが精神的に余裕があった。 《ランチは残念ながら流れるが、研修には間に合う》 と言った余裕があったこともあるだろう。 この時は 《これは新しい企画を考えるいい機会になる》 と思えたのだ。 「1時間以内で新しい本の企画を考えよ」 と問題を出されたとして、集中して考えた。 集中すると時間はあっという間に経つもの。 結局、50分で動き出したのだが、その間にいいアイデアがまとまった。 有意義な時間になったのだ。 もしこの時 《何やっているんだよ》 と小一時間イライラしていたらどうだろう? アイデアなど思いつくこともなく、ストレスを溜めるだけだった。 出来事に良いも悪いもない。 その出来事に自分自身どんな意味づけをするかで決まってくるもの。 突然のトラブルをいいように捉え、有効的な時間にしてください。

 

■シッカリ商談の準備をしても決まらない理由

あるお客様と商談していた時のこと。 3回ほど商談をしていた。 土地も用意してあるし、自己資金も十分持っている。 時期も悪くない。 しかし、なかなか話が進まなかった。 私は上司に相談して、商談のストーリーを考えた。 【間取り→構造→資金計画→建築時期】 資料をシッカリ準備して商談に臨んだ。 しかし、話はうまく進まなかった。 お客様は話を聞きながらもさえない表情だ。 一通り説明が終わると 「これで一度検討させてもらいます。分からなことがありましたらこちらから連絡しますから」 とアポイントが途切れてしまったのだ。 これは何が原因だったのだろうか? この時、私はお客様の事を考えているようで、本当は考えていなかった。 【間取り→構造→資金計画→建築時期】 とストーリーを考えることは悪い事ではない。 しかもマニュアル通りの話の流れだ。 しかし、これは営業マンサイドに立ったプレゼンでしかない。 お客様には自分が思った通りには伝わらないのだ。 この時、私はお客様のニーズを深く理解する必要があった。 《どんなことがネックになっているのか?》 《条件がそろっているのにどうして話を進めないのか?》 という事を理解し、その上で相手が理解できるように工夫する必要があったのだ。 もし、資金計画について引っかかっているのならば、その点についてお客様と一緒に解決していけばいい。 間取りが気に入らないのならば、設計も交えて詰めていけばよかった。 いくらキレイなプレゼンの資料を用意しても、通り一編の流れでは伝わらない。 それよりも、お客様のボトルネックを発見する事が最優先。 営業マンサイドで考え分からなければお客様と一緒に考え場いい。 その上で、一緒に解決していくことが重要だと痛感した出来事でした。

 

■隠し事があなたの活力を奪う

あるお客様と商談していた時のこと。 珍しく当社を気に入ってくれ、話は順調に進んでいた。 一度所長にも会ってもらい挨拶もしてもらった事もあり 《このお客様は確実に決まるぞ》 と思っていた。 しかし、一気に雲行きが怪しくなる。 奥さん側の知り合いの営業マンか参入し、不利になった。 商談を続けたが、 「いろいろお手間をかけさせたのに、すみませんね」 と遠まわしに断ってきている。 遠まわしでもないが・・・ 私はそれを気づかないふりをして商談を続けた。 気が付かない私にしびれを切らせたのか、お客様は 「9割以上他社に気持ちが傾いています。ですからもう結構です」 とハッキリお断りされた。 そのことを私は上司に言えずにいたのだ。 まだ完全に他社に決まっているわけではないから、という事もある。 それ以上に所長をガッカリさせたくないという気持ちも強かった。 このお客様に他にもダメになっているお客様がいて、計2件のダメ商談を言えずにごまかしていた。 こんな事でも隠し事をすると苦しくなる。 私は元気が無くなり、他の営業活動まで悪影響が及んでしまった。 それからしばらくしてのこと。 《もうこれ以上は隠すことはできない》 と限界を感じた私は思い切って所長に現状を告白した。 所長は 「そうか、残念だったな。気を落とさずに次を探せ」 と少しがっかりしたが、温かい言葉をかけてくれた。 その瞬間、気持ちがものすごく楽になった。 それからは積極的に営業活動ができるようになったのだ。 隠し事をしてもいい事はない。 気が病んで元気がなくなるだけ。 隠し事がある時は思い切って吐き出してしまう。 吐き出した瞬間に気持ちはグッと楽になり、楽しく営業活動ができようになります。

 

■元気がなくなるのは先送りにしているから

《なんとなく気分がのらない》 もしくは 《なんか元気が出ない》 と言う時はないだろうか? 過去の私は毎日のようにスッキリしない毎日を送っていた。 営業で結果が出ない・・・ それも1つの要因になっていたのは間違いない。 しかし、それ以上に足を引っ張ったのは、 「やるべき事をやり残していた」 ということ。 どんな些細なことも先送りにすると重くなる。 その場ですれば簡単に済むことでさえ、後回しにしたことで 《あぁ〜あの書類もつくらなくちゃなんだよなぁ》 と気が重くなるのだ。 こういったことが積み重なり、元気がなくなっていく。 そしてまた上手く行かなくなる・・・ といった悪循環になるのだ。 先週のメルマガでお話しした 「見積りを出して結果待ちになる」 と言うのも同じ事。 《あのお客様は今どうなっているのだろうか・・・》 《他社に取られたかなぁ・・・》 などと考えると気分は重くなる。 元気を吸い取られ、他のお客様のフォローもイマイチになるのだ。 見積りを出してその場で気ならない時は待っても決まらない。 結果を待っている間、悶々とした日を送るくらいならば、その場で断られた方がまだマシ。 その方が立ち直りも早いのだ。 結果を出してからの私は、優柔不断なお客様に対して見積りを出す前に 「来週、最終見積りを出しますので、そこでご判断ください」 と伝えておいた。 こうすることで結論をその場を頂けるようになった。 これでうまく行くことも多くなった。 もちろん失敗もある。 しかし失敗したとしてもすぐに気分は切り替えられる。 悶々と考えてパワーを奪われることが無くなったのだ。 元気がなくなるのは先送りにしている証拠。 やるべきことはさっさと片付けてしまい、お客様の結論もできる限りその場で頂くようにしましょう。

 

■すべて出し切ってから「考えます」と言われる理由

あるお客様と商談していた時のこと。 話は順調に進んでいた。 競合は3〜4社あったのだが、感触は悪くない。 お客様からも 「菊原さんのところの建物は気に入っていますから、あとは値段次第ですね」 と言われていた。 5回ほど商談し、間取りも装備も決まった。 いよいよクロージング。 値段も予算内に収めたが、お客様は 「じっくり考えたいので、あと1週間待ってください」 とその場では結論は出なかった。 結論を待つ一週間は長く感じる。 《いい感じだったから決まるだろう》 と前向きに考えたり、 《いや、他で話が進んでしまっているかも》 と不安に思ったりした。 そして1週間待ってから電話をした。 しかし、まだ他の会社の見積りが出ていないという。 これ以上待ちたくない。 結論を迫ったのだが、お客様からハッキリと 「結果が出たらこちらから電話しますから、それまで待っていて下さい」 と言われてしまった。 こうなるとこちらからアプローチしにくくなる。 何も手出しができないまま2週間を過ごした。 結局、2週間後に連絡があり、 「本当にごめんなさいね。今回は○○ハウスさんにお世話になることにしたの」 と敗戦したことが判明した。 今から考えみればこのお客様とは人間関係もできていなかったし、当社が本命でもなかった。 口ではいい事を言っていたが、明らかに相見積が目的だ。 キチンとヒアリングしていれば見抜けただろう。 結局、私はこの3週間の間 《いつ連絡が来るのだろう・・・》 と悶々とした日を過ごすはめになっただけ。 その後もこのパーターンを何度も経験したが、一度も契約になったことはなったのだ。 トップ営業マンになった時のこと。 お客様との関係ができていたために見積りを出す前から契約日が決まっていた事もあった。 見積りを出してから 「ではこれからじっくり考えます」 と言う流れにはならなかった。 すべて出し切ってから「考えます」と言われるのは商談の進め方が間違っているか、 もしくは初めから決める気が無いお客様。 こういった商談が続く場合にはお客様との関係の築き方が間違っていないか、一度チェックしてみてください。

 

■「なんとなく過ごす」と「リラックスする時間」は違う

ダメ営業マン時代のこと。 事務所にいれば、所長から 「オイ! どこか訪問してこい」 と怒られる。 仕方なしに出かけるが、行くところもない。 アンケートファイルを見ながら1、2軒訪問する。 当然のことながらアポはない。 「話が進む時はこちらから連絡しますから。来ないでください!」 とシャットアウトされる。 こうなると嫌気がさし、訪問を止める。 2時間も3時間も意味なく時間を過ごしていた。 サボった後は気分良くないもの。 本を読んでも昼寝をしても嫌な気分が残った。 トップ営業マン時代のこと。 いつもは朝から仕事をしてサボることはしなかった。 ただ、前の日に飲み会に行ってしまったり、子供が夜泣きして寝不足な時はどうしても昼間眠くなる。 《30分だけ昼寝をしよう》 とサボることもあった。 しかし、この時は全く罪悪感はなかった。 この時は 《この時間は気分転換のために使うぞ》 とキッチリ決めていた。 だから罪悪感もなかったし、その後仕事にスッキリ戻れたのだ。 《なんとなくサボる時間》と《リラックスすると決めてキッチリ過ごす時間》は全く違う。 たとえ同じ時間、同じ事をしていても全く違うのだ。 体調が優れない、調子が出ない・・・ と言う時、だらだらサボるのではなく 《この30分はリラックスする時間に使う》 と決めてから時間を過ごしましょう。

 

■嫌な人と出会いを利用せよ

以前の研修での事。 前もって会社に訪問して研修の打合せをさせて頂いた。 その担当者はどういうワケだが感じが悪い。 私がホワイトボードの確認をすると 「そういうのは突然言われても困ります」 と言い出す。 もちろんその場で言ったのではなく、前もって伝えてあったこと。 研修前にトラブルを起こしたくない事もあり 「ホワイトボードはなくても大丈夫です」 と譲歩した。 にもかかわらず、 《だったら言うんじゃないよ》 と言わんばかりの態度を取られた。 これにはさすがに頭にきた。 その他の対応も非常に不愉快だった。 それからしばらくしてのこと。 その話を知人に話したことがある。 私は話しているうちに思い出、しカッカッしていた。 その様子を見ながら 「それはラッキーでしたね」 と笑い出したのだ。 さすがに私も反論する。 私「ラッキーですか?」 知人「いやな奴に出会うのはラッキーなんですよ」 私「よく意味が分かりませんが」 知人「怒りもエネルギーなんです。せっかく頂いたエネルギーを正しい方向に使ってみてください」 私「正しい方向にですか?」 知人「ええ、それを他の仕事へぶつければいいんですよ」 確かに知人の言う通り。 怒りは凄いエネルギーがある。 感動的なことやいい事より、何倍も強烈なもの。 そのエネルギーを無駄に使って自分が疲れてしまうのではもったいない。 他の仕事のためのエネルギーとして使えばいいのだ。 知人は最後に 「いやな奴に出会うのも意味があるんですよ」 と言ってくれた。 その一言でスッと気持ちが楽になった。 嫌な人、嫌なお客様に出会った時カッとなる時があるだろう。 そんな時はイライラして疲れるのではなく、仕事のエネルギーとして使ってほしい。 そうすることで何倍も仕事のパフォーマンスも上がります。

 

■二流営業マンと一流営業マンのクレーム処理の違い

工務店の社長にお会いした時の事。 こんな話をしてくれた。 社長「クレームでその営業マンの真価が問われます」 私「確かにそうですね」 社長「クレームでただ謝るだけは二流。クレームが起こった時に状況に応じてベストの対応ができるのが一流です」 私「それができれば最高ですね」 クレームが起こった時、できる人でもひるむもの。 いつもはできる事ができなくなったりする。 こんな時こそ、一流の人は冷静に 《今やるべき最善の一手はなんだろう?》 と考える。 そして、一番いい策を打ちダメージを最小限に食い止めるのだ。 過去の私はその逆だった。 クレームが起こった時は 《どうにか逃げられないものか》 と考える。 時には 「これは設計のミスで私のせいではありません」 などと言い出す。 「謝るだけは二流」 と言っていたが、私はそれ以下。 誤りもせず、人のせいにしていた。 こうしてクレームの傷を大きくしてしまったのだ。 私自身、さんざんクレームに苦しんだ。 それもそのはず。 クレームから逃げ、自分で大きくしてしまっていたのだから。 結果を出すようになってからはクレームから逃げなくなった。 逃げられないという事を嫌ってほど学んだ。 まずは 《すべての責任は私にあり、窓口は私です》 というスタンスで臨んだ。 そうすることで現場も動いてくれ、最小限で食い止められることが分かったのだ。 クレームが起こった時に営業マン真価が問われるもの。 逆境のときこそ逃げずに立ち向かいましょう。

 

■歯を食いしばって「他社の方がいい」と言えるか?

以前、友人から 「今度家を建てるかもしれないから相談にのってくれ」 と言われたことがあった。 彼は私に家づくりを任せるつもりだ。 しかし、ネックは奥さんだった。 展示場を案内した途端、 「ちょっと違うよねぇ・・・」 と難色を示した。 カタログでいろいろな外観パターンを見せたのだが、奥さんの好みとは全く違うらしい。 しまいには 「お姫様が住むような家がいい」 とワケの分からないことを言い出したのだ。 その後も何度か話しをしたが、一向に歩み寄ることはない。 《これはダメだ》 と判断した私は友人にこう話した。 私「家だけど、○○ホームを検討した方がいいぞ」 友人「オイオイ、俺はお前から建てたいんだよ」 私「それはありがたいけど、家は奥さんの意見を尊重した方がいいよ。家に長くいるのは奥さんなんだから」 友人「まあそうかもしれないけど」 私「家づくりの相談にはのるから、心配しないでよ」 友人「わかった。一度○○ホームに行ってみるよ」 強引に私から家づくりしてしまえば、後で彼は地獄をみる。 奥さんから 「やっぱり違う家にしたかった」 と一生言われることになるだろう。 その時私は 《彼にそんな思いはさせたくない。彼とは一生付き合いたいのだから》 と本気で思った。 その後のこと。 他の会社を検討したが、やはり友人は私から家を建ててくれた。 奥さんも一度他社を検討したことで考えが変わり、私の話を前向きに聞いてくれるようになったのだ。 これは友人だからできたことかもしれない。 しかし友人だけでなくお客様の事も本気で考えてほしい。 自社の商品とあわない時は、歯を食いしばって 「当社ではなくA社の方がお客様の要望にあうと思います」 と提案する。 そういったことが言える営業マンは他の営業マンとはワンランク違う信頼を得られるのです。

 

■無意味な売込みは手段が無い証拠

以前のブログで 「こどもは手段がなくなるとギャーギャー泣いて親を困らせる」 という話をした。 http://plaza.rakuten.co.jp/tuki1/diary/201304160000/ これは大人でも同じで、追いつめられると 「うるさい!ほっといてくれ!」 とキレるもの。 そして営業マンは手段がなくなると 「それはさておきまして、こちらをご覧ください」 とワケの分からない売込みをするのだ。 営業マンが無意味に売込みをするのは手段を考えていない証拠。 こういった営業マンは非常に多いのだ。 少し前に顧客管理のシステムの営業マンとお話しした時の事。 話を聞いているうちに、1つの疑問を持った。 それは入力が複雑な事。 営業マンはいろいろな業務で忙しい。 帰ってきてからパソコンで1時間も2時間もかかる作業をするとは思えない。 私はその営業マンに対して 「ここまで複雑だと導入しても使える営業マンは少ないと思いますが、どうでしょうか?」 という質問をした。 その営業マンは 「そういった部分もあるのですが、スマホでもできますし。それにコスト面ではA社と比較しましてもお安く、さらに・・・」 と関係ない金額の売込みをしだしたのだ。 パソコンでも複雑な作業をスマホなどできるわけがないし、コストの事など全く聞いていない。 この話を聞いた瞬間に 《手段が無いんだな》 と感じた。 その後も資料を使っていろいろと説明してくれた。 しかし、入力方法の複雑さについて解決していなかったことあり、聞く気がしなかった。 結局、その営業マンとお付き合いすることはなかった。 質問に対して別の売込みをするのは 「それはできないし、面倒くさいんですよ」 と言っているのと同じ事。 自分に都合の悪い質問こそ、しっかりと回答するようにしましょう。

 

■蛇足に気を付けよ

通信講座の会員さんとお話をしていた時の事。 会員さんは自分でお役立ち情報をつくり、お客様に送っていた。 それなりに反応もあり、営業活動に役立っていた。 しかし、それを上司が見つけて 「それを送ってもいいが、必ず会社案内を同封しろ」 とアドバイスした。 直属の上司の意見を無視はできない。 《送りたくない》 と思いながらも、いやいや会社案内を同封した。 その後の事。 お客様からの反応は激減。 それどころか 「もう送ってこなくていいですから」 と言われるようになってしまったという。 お役立ち情報は 《これから家づくりを検討するお客様に役立つように》 と、他のお客様の失敗例やクレーム例を伝えるもの。 それ自体はお客様に感謝されるもの。 しかし、そこへ会社案内などの 《お客様の為ではなく、会社都合の資料》 を送ってしまうと印象は変わる。 お客様の中には 《なんだ、こんなもの勝手に送ってきやがって》 と思う人もいるのだ。 有名なことわざに蛇足というのがある。 蛇足というのは、蛇の絵をはやく描く競争を した時、最初に描き上げた者がつい足まで描いてしまったために負けたという話。 つまり余計なことしたことで逆効果になることを言う。 お役立ち情報を送るのだったら、ついでに会社案内も・・・ これこそ蛇足になり、逆効果になるのだ。 アプローチの段階ではお客様が役立つ情報だけ提供しましょう。

 

■キーマン以外ともコミュニケーションを取る

先日、ルート営業の営業マンとお会いした時の事。 その人は成績のいい人。 その営業マンがこんな話をしていた。 私「結果を出す秘訣は何でしょうか?」 営業「そうですねぇ、担当者への根回しは完璧にすることですかね」 私「根回しと言いますと?」 営業「その担当者が稟議を通すための資料などすべてを用意するんです」 私「それは素晴らしいですね」 営業「それともう1つ大切なことがありまして」 私「それは何でしょうか?」 営業「担当者以外の人ともコミュニケーションを取ることです」 その後、詳しい話を聞いた。 担当者とコミュニケーションを取るのは当たり前の事。 それに加えて、担当者以外人ともコミュニケーションを取るという。 他の人とも挨拶を交わし、会話をする。 たわいもない会話からヒントを得られることもあるというのだ。 これは住宅営業でも同じこと。 決定賢者が奥さんだとする。 そうなるとどうしても奥さんばかりに意見を求めるように。 もちろん奥さんの意見も大切なのだが、他の人とも積極的にコミュニーションを取ってほしい。 ご主人はもちろんの事、子供たち、親御さん、など。 そこから素晴らしいヒントをもらえることも。 子供が苦手だとしても 「学校では何が流行っているの?」 と話しかけてみる。 「俺は寝る部屋があればいいから」 というご主人にも 「○○についてだけはご意見を聞かせてください」 と声をかける。 そういったコミュニケーションを取ることで一味違った提案ができるようになります。

 

■話の上手な人は日常会話も意識している

知人のセミナーにご招待頂いた時の事。 2時間ほど話を聞かせてもらった。 もちろん内容は素晴らしい。 それ以上に感心したのは聞き取りやすいこと。 ゆっくり、ハッキリと話していた。 《このくらい上手に話が出来ればなぁ》 と感心したものだった。 その知人にこう質問した。 私「素晴らしいお話しありがとうございました」 知人「いえいえ」 私「ところでどうしてそんなに聞き取りやすく話が出来るのですか?」 知人「そうですねぇ、それは日ごろから練習しているからですね」 私「日ごろからですか?」 知人「ええ、こうやってどなたかと会話するときもハッキリ、クリアに発音することを心掛けています」 そういえば知人は普段から聞き取りやすい話し方をしていた。 人前で話す時だけではなく、通常の会話から意識していたのだ。 これは営業活動でも言えること。 私自身、お客様から 「菊原さんの話は分かりにくいですね」 と言われたものだった。 もちろん、内容が変わりにくいという事ももちろんあった。 しかし、それ以上に伝わらなかったのは話し方。 私は緊張すると早口になり、滑舌が悪くなる癖がある。 内容が分かりにくい上に滑舌悪く話されたのではお客様にはほとんど伝わらないのだ。 普段、適当にしゃべっていて、お客様の前だけ上手に話すことはできない。 得に緊張すればよりダメな部分が出てしまうもの。 接客、商談で伝わりやすく話すためには普段から意識する事か大切。 日常の会話、家族との会話、飲み会での会話・・・ などなど。 意識してゆっくり、クリアに話してみてほしい。 気づいた時には人から 「聞き取りやすい話し方ですね」 と言われるようになります。

 

■話が面白くても、また会いたくならない理由

知人のご厚意で住宅会社の社長を紹介して頂いたことがあった。 さっそくお会いすることにした。 その社長は歳は私と同年代。 話が盛り上がり 「このまま飲みに行きますか」 という話になった。 その社長は話し好きな人。 それもちょっとした芸人より面白い。 感動させたり、笑わせたりと話を聞いていてまったく飽きなかった。 それからしばらくしての事。 その社長からお誘いを頂いた。 しかし何故だか 《なんか行きたくないなぁ》 と言う気持ちになった。 仕事も少しかぶっていたため、結局お断りした。 その理由は何だろうか? それは私自身も話がしたいから。 確かにその社長との飲み会では話は面白かった。 しかし、私はほとんど話が出来なかった。 それがストレスになっていたことに気が付いたのだ。 これはお客様との関係にも言えること。 営業マンが感動的な話をする。 分かりやすく説明する。 どんなに伝えるのが上手になっても結果にはそれほどつながらない。 だってお客様は 上手い話を聞きたいのではなく、自分の事を理解しくれる人を探しているのだから。 トークの練習をするのではなく、ヒアリング力を高める練習をしましょう。

 

■悪習慣は根気強く撃退し、いい習慣に変える

ダメ営業マン時代の事。 たくさんの悪い習慣が身についていた。 ・初対面のお客様にすぐに売り込んでしまう ・訪問しても話ができない ・営業活動をサボる ・ウソの報告をする などなど。 どう考えてもこれではいい結果は出ない。 自分でもよく分かっていたのだが、この悪習慣から抜け出すことができなかった。 いい習慣でも悪い習慣でも一度身につくとなかなか止められなくなる。 悪い習慣をやめるのには根気が必要になるのだ。 以前、友人にお菓子のセットをもらったのをきっかけに夕食後に甘いものを食べるようになった。 それを続けているうちにデザートがないと物足りないようになる。 気づいた時には中毒になり、体重も増加した。 《このままではマズい》 と思った私は食後のデザートをやめようとした。 しかし、なかなかやめられない。 一度やめられたと思うと、3日後には我慢できずに食べてしまう。 結局、その習慣をやめるのに1ヵ月以上も苦労することになったのだ。 もともと私は甘いものは好きではないし、食後に食べる習慣も無かった。 しかし、ちょっとしたことがきっかけで習慣化することもある。 習慣化したものはなかなかやめるのが難しくなるのだ。 営業活動の中に分かっていても止められない悪習慣があるだろう。 それはもともと持っているものではなく、ちょっとしたことがきっかけで身についてしまったもの。 その1つを克服するのには時間がかかることをまず知ってほしい。 根気よく戦うしかない。 そして、克服し逆にいい習慣になったものはちょっとやそっとじゃ無くならないのだ。 悪習慣を諦めずに根気よく撃退し、いい習慣に変えていきましょう。

 

■「営業マン」から「パートナー」に

ダメ営業マン時代の事。 契約自体は少なかったが、トラブルが多くいつも頭を抱えていた。 せっかく契約になってもお客様との関係は良好ではない。 「これはサービスと思っていましたが」 「こんな話は聞いていません」 「もっと早く引き渡ししてくださいよ」 などなと。 時には 「工事をストップして持って帰れ!」 などと言われることもあった。 お客様からのクレーム、わがままがどんどん出てくる。 《住宅営業は本当に辛い》 と思いながら仕事をしていた。 どうしてお客様は私にクレームをつけたり、わがままを言ってきたのだろうか? その理由はお客様は私の事を 「単なる営業マン」 と思っていたから。 ダメ営業マン時代の私はお客様の事を本気で考える営業マンではなかった。 《このお客様が契約にならないとクビになっちゃうよ》 という思いで営業をしていた。 だからそのような関係になっても仕方がない。 お客様に「単なる営業マン」と思われているうちは問題は次から次に起こるもの。 トップ営業マン時代の事。 物件数は4〜5倍に増えたが、クレームやお客様のわがままは減少した。 問題が起こったとしても 「この部分は私がやりますから、菊原さんは○○を手配してください」 と協力しながら解決した。 その違いはなんだろうか? その時私はお客様を友人もしくは同志としてお付き合いさせて頂いた。 だから自然に 「そのオプションは止めたほうがいいですよ」 と言う言葉が出た。 お客様も私の事を単なる営業マンではなく 「一緒に家づくりを進めている同志、パートナーだ」 と思って頂いた。 お客様との関係がどうもよくない・・・ と言う人もいるだろう。 そういった人は自分が本当の意味でお客様の立場に立っているか再確認してほしい。 単なる営業マンからパートナーになった瞬間、クレームは激減します。

 

■学んで結果を出すか?ノウハウコレクターになるのか?

住宅営業マン2人と私の計3人で飲みにいった時の事。 Aさんは本をあまり読まないタイプ。 たまたま私の本を本屋で見つけ読み込んでくれた。 営業レターを活用して去年の2倍の契約を取ることができたという。 控えめな性格だが 《営業活動に自信がつきました》 と言う感じがした。 一方、Bさんは多読家。 月に何冊もビジネス書を購入して読んでいる。 書評家のように 「菊原さんの本も読みやすくてよかったですよ」 と上から言って頂いた。 話をしていると、Bさんは 「それはドラッカーの本でよく出てくるフレーズですね」 だとか 「カーネギーの言葉の引用ですか」 などと言ってくる。 そんな気はないのだが・・・ また最近のノウハウにも詳しい。 「クラウドファンディングについてはどう思われますか?」 などと難しい事を言ってくる。 しかし、Bさんは全くと言っていいほどそれを営業に活かしていない。 だから成績も思わしくないのだ。 Bさんは表面上の言葉だけ覚え、実行しないタイプ。 次から次へと新しいノウハウを求める。 そして、ノウハウコレクターになったのだ。 一方、Aさんは1冊だけを熟読し実行した。 結果、前年比200%を達成した。 ノウハウコレクターになるのか? それとも実行して結果を出すのか? このメルマガを読んで頂いている人にはぜひ後者になってほしいと思います。

 

■打たれ強い人でも徐々に効いてくる

以前、半年間ほど研修を続けてさせて頂いた会社があった。 そこには若くて優勝な営業マンA君がいた。 彼は明るくて元気なタイプ。 お客様ウケもよく、毎月1棟のペースで契約を取っていた。 ただ、彼は大雑把な性格。 細かいミスが絶えず、常に社長から怒られていた。 ある時、営業マンA君が取った契約に関してこんな忠告をしていた。 社長「なんだ、このサービス項目は?」 営業A「これは契約の時にお客様と約束しまして」 社長「こんないくらかかるか分からない事を約束するんじゃない!」 営業A「すみません」 社長が怒るのは当然の事。 許可を取らずに、確定しない工事をサービスとして契約書に盛り込んだのだから。 だとしても営業マンとしては契約を取ってきたことは評価してほしいものだ。 私は社長とゆっくり話せる時にこう言ってみた。 私「A君はトップ営業マンですよね。それにしては評価が厳しいような気がするのですが」 社長「いいんですよ、あいつは褒めると調子に乗るタイプですから」 私「だとしても契約を取って怒られたのではかわいそうな気がして」 社長「私もタイプを見て意識的にやっているんですよ。彼は褒めちゃダメなんですよね」 私「そうですか・・・」 社長は自信満々で言っていたが、それでも私は彼を認めて上げてほしいと何度も伝えた。 それからしばらくしての事。 営業マンA君が転職したことを社長から聞いた。 社長は 「ああ見えて、傷つきやすい奴だったのですね。私が間違っていました」 と言っていた。 いくら打たれ強い人だとしても 「新人じゃないんだから、ちゃんとしろ!」 「もっと几帳面にできないのか!」 「もっと儲かる契約を取ってきてほしいものだ」 と言われればボディーブローにように効いてくる。 営業マンA君のように突然、会社を去っていくこともある。 もちろん注意したり、アドバイスすることは大切な事。 ただし、どんなタイプの人でも結果を認めることを忘れないでください。

 

■頭で理解するのではなく骨に染み込ます

・セミナーを受講する ・本を読む ・人からいい話を聞く などなど。 「これはいい事を知ったぞ」と思うことがあるだろう。 しかし、3日も経たないうちにテンションは下がる。 あっという間に 《まあ、別にこのままでもいいか》 と元に戻ってしまうのだ。 こういう経験をしたことがないだろうか? 私自身は何度も経験した。 行動経済学でよく知られている人間の特性の一つに、【現状維持バイアス】というものがある。 変わろうとする自分を元に戻そうとする力のこと。 良くなる満足感より、変わって悪化することを恐れることで起こる心理。 これは人間が生まれ持った防衛本能の1つ。 だから、誰しも現状維持を望むのだ。 《新しい事を知ったのに実行できなかった》 という思いをした人は意志が弱いのではない。 単純にインプットの回数が足りなっただけ。 新しい自分に変わるためには何度も繰り返しインプットする必要があるのだ。 30歳の人ならば30年間の蓄積がある。 それをたった1時間の話を聞いただけでコロッと変われるなんてことはない。 何日も思い続けなければ変わることはできないのだ。 《これだ!》 と思ったことは何度も繰り返しインプットしてほしい。 イメージとしては頭ではなく骨に染み込ます感じ。 骨に染み込むほどインプットした時、そのことは本当の意味で自分のものになっています。

 

■追い込まれた時、今できるすべてをやってみる

少し前に入会して頂いた会員さんとお話しした時の事。 その会員さんはクビ寸前だったという。 半年間ゼロを続けたことで、上司から 「あと1ヵ月で契約が決まらなかったら辞めてもらう」 と言われていた。 この営業マンは住宅営業。 1ヵ月以内で契約は厳しいもの。 しかもその時、見込み客もいなかったという。 その宣告を受けた日は落ち込んで何もせず家に帰ったという。 しかし、翌日朝起きて 《どうせあと1ヵ月でクビになるんだ。やれるだけやってみるか》 と腹をくくった。 会社に出勤する前にネットで営業関係のノウハウを調べ印刷した。 その中に私のブログもあったという。 http://plaza.rakuten.co.jp/tuki1/ 彼は印刷したノウハウの今できる部分に赤線を引き、それを1つ1つ実行した。 その結果、1ヵ月のリミットの間に契約を上げたのだ。 これをきっかけに成績のいい営業マンになっていくだろう。 誰でも追い込まれることがある。 ずっと売れていたのに急にスランプに。 3ヵ月、4ヵ月、5ヵ月とゼロが続く。 そして、会社からリミットを告げられる。 そんな時、どう行動するだろうか? ある人は《もうダメだ》と諦め ある人は《今やれることをすべてやってみよう》と思う。 そして後者だけが生き残れるのだ。 追い込まれた時こそ諦めるのではなく今できることをすべてする。 そう行動した人だけ光が見えてきます。

 

■紹介をもらえる営業マン、もらえない営業マン

少し前のブログで  「先回りして伝えることで《この人はプロだ》と思ってもらえる」 と言うお話をした。 お客様から聞かれてから答えるのではなく、前もって 「こんなことがありますから、このように解決してください」 とお客様に伝えたほうがいい。 これは商品を引き渡し後も言えること。 私はお客様から紹介をもらえるタイプの営業マンではなかった。 特に引き渡し後はダメ。 先輩からは 「一生懸命やっていれば自然に出るよ」 と言われていたが、そんな感じは全然なかった。 ある日の事。 先輩が引き渡したお客様に 「これから市役所の資産税課の人から連絡があり見に来ますから、○○をしておいてください」 と電話をしていた。 またある時には 「そろそろ2ヵ月点検になりますから、気になる部分を紙にリストアップしておいてください」 と電話をしていたのだ。 先輩はお客様から心配になることを先回りして伝えていた。 こういった電話は嬉しい。 しかも 《さすがプロだなぁ》 と言う印象を与えられる。 と言うこともあり、先輩は人より多く紹介をもらっていた。 その後、私も同じように先回りしてお客様に伝えるようになった。 これを繰り返しているうちにお客様から紹介がポツポツともらえるようになったのだ。 お客様から聞かれてから 「それはですねぇ」 と答えるのではなくこちらから前もって伝える。 それがお客様からプロと思われる秘訣になります。

 

■イヤなことをズバズバ言ってくる人の活用法

有名著者とお会いさせて頂いた時の事。 こんな面白い話をお聞きした。 著者「一度も本を出したことはないのですが、まずはじめに企画書の相談をする編集者がいましてね」 私「どういうことですか?」 著者「企画書ができたらその編集者に送るのですが、必ずダメ出しをしてくるんです」 私「○○さんに対してダメ出ししてくるのですか?」 著者「ええ、「他の本と差別化になってない」だとか「読者のニーズと内容がマッチしていない」などとズバズバ言ってきます」 私「そんなことを言われるのですか」 著者「そのアドバイスが役に立っていましてね」 私「確かにそういった厳しい意見は参考になりますね」 著者「彼のところでいつも出せないのが残念ですが、他の出版社でいい結果をだせていますから」 企画に対して厳しい意見を言ってくる人もいる。 この編集者はネガティブな意見だけを言ってきて、前向きなことは一切言わないという。 普通はこういった人とはお付き合いしないのだが、さすが有名著者。 こんなネガティブな人でさえ、上手に活用している。 これは営業活動でも応用できること。 私の会社には必ずダメ出ししてくる設計スタッフがいた。 私とお客様が考えたプランに対して 「生活動線が悪すぎる」 「センスが悪い」 「そもそもどうしたいか理解できない」 などなど。 言いたい放題。 その上、アドバイスはしてくれない。 《本当にイヤな人だ》 と思っていた。 しかし、よくよく考え見ればこれほどありがたい意見はない。 言われたことを参考にして修正していけば、いい間取りに近づいていく。 《お客様が住む家などどうでもいい》 と考えている人は文句さえ言わないもの。 当たり障りなく 「いいんじゃないですか」 と言われたことをするだろう。 ダメ出してくる人の意見こそ参考にする。 そう考えればイライラすることはなくなるし、お客様にいいアドバイスができる紆余になります。

 

■知識と経験がバリアになっていないか?

入社して4〜5年経った時の事。 新人の時に比べれば比較にならないくらい知識は増えた。 また契約やお客様との商談の経験もかなり積んできたのだ。 経験を積んだことでのメリットもある。 急な質問に対しても 「以前、似たようなケースがありまして、○○だと思いますが」 などと冷静に答えられるようになっていた。 こうなればお客様へ与える安心感が違う。 《この人だったら任せられるかも》 と思っていただける。 しかし、どうだろう? 私は経験を積むほど売れなくなっていった。 その一つの理由として 「営業マンぽくなってしまったから」 ということもある。 変に流暢に話せるようになったことでお客様が警戒する。 こうした事も悪影響を及ぼしていた。 それ以上に私に悪影響を及ぼしていたのが、 【知識と経験がバリアになっていた】 ということ。 経験が浅い時はお客様の事をフラットな気持ちで見ることができた。 しかし、経験を積んでくると変なことを考えるようになる。 お客様のちょっとした言葉に対して 《チェッ、これは他に本命がいるな》 だとか 《このパターンはクロージングで逃げるパターンだな》 と勘ぐってしまう。 このような事にキチンと対処すればいい。 しかし、その時私は対処することもなく 《どうせ最後は断られるのだろう》 というネガティブな気持ちになるだけだった。 こうした気持ちはお客様に伝わってしまうもの。 自分が勝手にバリアを作ったせいで、何件もの契約を逃したのだ。 経験を積むことはいいこと。 ただ、それがバリアになるようでは意味がない。 お客様と商談しているとき、 《あれこのパターンはダメなやつかな》 と頭によぎった時こそ、新人の時のフラットな気持ちを思い出してください。

 

■悪い結果もきっちり報告しているか?

以前、研修の仲介会社の人から連絡を頂いたことがあった。 まずはメールで連絡を頂き、その後電話で何度かやり取りをした。 私はその会社の資料を作成し、提出したのだ。 それから1〜2ヵ月経った時の事。 私自身もその事を忘れていた。 たまたまファイルの整理をしているときに、その時の資料を発見した。 それを見て 《そういえば結果はどうなったのだろう?》 と気になった。 まあ、2ヵ月近く経って連絡なしなのだがダメだったのだろうと思うが念のためメールをしてみた。 すると 「すみません、今回はダメでした」 と返事が返ってきたのだ。 いい結果にならなかったことは仕方がない。 しかし、それを報告しないのでは次にまた仕事をしようとは思わない。 その担当者はこうして信頼を失っているのだ。 過去の私もそうだった。 設計スタッフに面倒な図面を用意してもらったり、難しい法律について調べてもらうことがあった。 結果が出れば 「お陰様で契約になりました!」 と喜んで報告する。 しかし、結果が出なかったときは 《まあ、何かのついでに報告しておけばいい》 と先送りする。 そして報告すること自体を忘れてしまっていた。 こうしてスタッフから信頼を失っていったのだ。 どんな結果になったとしてもきっちり結果を報告する。 そういった人だけ仕事で結果を出せるのです。

 

■自由だけど結果を出す人、出さない人

研修後の飲み会でのこと。 営業マン達とこんな話をした。 営業「うちには変わっているトップ営業マンがいましてね」 私「どういったタイプですか?」 営業「一言でいえば自由な人です」 私「自由な人ですか?」 営業「そうなんです。気分で会議に出なかったりルールを守らなかったりするのですが、とにかく結果を出すので上司も何も言えないんです」 私「そういった人もたまにいますね」 この話をした一週間後の事。 別の営業マンと話す機会があった。 その営業マンはプレマネをしている。 5人ほどの営業所を任されているのだが、 「うちにまったく売らない営業マンがいましてね。それが自由な奴で困りますよ」 と言っていた。 やはり気分で会議に出なかったり、ルールを破ったりするという。 《よくクビにならないものだ》 と思った。 そもそも営業職は自由な人が多い。 《事務職や工場勤務は縛られて嫌だから営業職に》 という動機の人も少なくないだろう。 私がいた会社にも自由なタイプは結構いた。 その中で売る人と売らない人にきっちり別れていたのだ。 その違いはなんだろうか? 一緒に働いていた自由な先輩AさんとBさんがいた。 両方一緒に働いたことがあるが、Aさんはほとんど仕事をしない。 本当に気分がのった時だけしている感じだ。 一方Bさんは自由だがやるべきことをしっかりこなしている。 一見自由に見えるが、自分で決めたルールは守っていた。 ということもあり、Bさんだけ結果を出していたのだ。 自由だけどやることはしっかりやっている。 自由だけと何もしない。 自由な人でもいいのだが、やはり結果を出す人はやるべきことをシッカリしている人だと思います。

 

■たった一人の偏った意見で判断してはならない

先輩と飲みにいった時の事。 私がよく知らない営業マンAさんの悪口を言いだした。 先輩「Aさんはほんと嫌な奴だよ」 私「そうなんですか?」 先輩「Aさんは人が傷つくことを平気で言うんだ」 私「デリカシーが無いタイプということですか?」 先輩「そうだね。しかも自分では気づいていないから、なおさらたちが悪いんだよ」 この話をきいてから私はAさんのことをあまりよく思わないようになった。 Aさんは別の営業所だったのだが、たまにうちの展示場に来ることもあった。 先輩から悪く聞いていたこともあり、特にこちらから話すことはなかった。 というか軽く無視をしていたのだ。 それからの事。 集まりでAさんと少しだけ話す機会があった。 少しだけ話をしたのだがそれほど悪い人ではない。 むしろ 《明るくて感じのいい人だ》 という印象を受けた。 周りの人に聞いても《あの人はいい人だよ》という。 実際の人柄を知ったことで自分が間違っていたことに気が付いた。 《今までなんてバカなことをしていたのだろう》 と後悔したものだった。 「Aさんは嫌な奴」 これは先輩の個人的な意見だった。 個人的な恨みを参考にしてはならないのだ。 よく知らない人の評判を知りたかったら1人ではなく3人に聞いてみる。 3にとも《あの人は・・・》となればそれは本当に嫌な人の確率は高くなる。 1人でも 「あの人はああ見えてすごくいい所もあるんですよ」 と言っているのなら嫌な人ではない。 たった一人の偏った意見で人をマイナスに判断しないようにしましょう。

 

■外圧ではなく内圧で調子を崩すもの

ダメ営業マン時代の事。 会議やミーティングが何よりも嫌だった。 契約が取れていればいい。 どうどうと 「今月は○○さんを契約することができました」 と発表できる。 しかし、そんな月はほとんどない。 営業部長からは 「お前本当に勘弁してくれ。会社をつぶす気か!」 などと怒鳴られる。 こうした事で落ち込み、さらに営業活動に悪影響を与えることもあった。 しかし、それは一瞬の事。 怒られ慣れすれば、どおってことない。 《のどもの過ぎれば・・・》 ではないが、翌日にはケロっとしているものだった。 まあ、これも問題だったのだが・・・ それよりも私を苦しめたのが内からの声。 《今日もいいことないだろうな》 《今月もきっとゼロで終わるだろう》 《頑張ったとしてもこの先契約なんか取れるのかなぁ》 などなど。 次々にネガティブなことが湧いて出てくる。 これは上司からの罵倒よりキツイ。 一瞬ではなく長期間続く。 そして私の精神をむしばみ、さらにダメ営業マンにさせたのだ。 もしこのとき、このようにポジィティブに変換していたどうだっただろうか? 《今日もいいことないだろうな》→《今日はいいことがあるかもしれない》 《今月もきっとゼロで終わるだろう》→《今月はきっと1つ契約になるぞ》 《頑張ったとしてもこの先契約なんか取れるのかなぁ》→《頑張ればきっと光がみえてくる。よしっ!》 無理やりでもそう考えてれば違っただろう。 上司から怒られるより、自分から湧き出てくるネガティブな感情の方がたちが悪い。 人は外圧よりも内圧によって崩壊するもの。 ただ内からの声は自分でコントロールできる。 ネガティブな感情が湧いてきたら、 《そう、きたかぁ。じゃあこうプラスに変換しよう》 と前向きの感情にしてください。

 

■お正月からお客様に出会えることに感謝する

ダメ営業マン時代の事。 仕事はじめは1月2日から。 元旦の夜には 《はぁ〜明日から仕事かぁ・・・》 と暗い気持ちになっていた。 当然、翌日は重い体を引きずるようにイヤイヤ出社していた。 こんな気持ちで臨むから、お客様にいい接客はできない。 こうしてお正月からコケていたのだ。 確かに2日から仕事をするのはちょっとキツイかもしれない。 しかし、今から考えればありがたい事。 だってお正月からいいお客様と会えるチャンスを頂けるのだから。 よくよく考え見て欲しい。 2日、3日に展示場にくるお客様はどんな人だろうか? 家づくりを考えていない人が 「ひまだから展示場にでも行ってみるか」 と家族とくるだろうか。 そんな事はない。 初詣か初売りに行くはずだ。 そんな中、わざわざ来て頂いたのだからキチンと対応しなくてはならないのだ。 感謝するのはお客様だけではない。 会う場を提供してくれる会社にも感謝して欲しい。 《こうしてお客様に会えるのも会社のお陰》 と思う事で仕事への意欲も増すのだ。 せっかくの新年。 いい気分で仕事をスタートさせいい一年にして下さい。